2004年01月13日
錫の酒器
最近、Yahoo Auctgionで次々と錫器を落札。ほとんど、骨董のレベルなのだが、これがなかなかナイス。錫という金属はさびないので、半永久的に使えるし、柔らかいので加工も緻密なものが多い。 錫には水を清める作用があるらしく、関西では新たに掘った井戸の中には錫板を沈めて水を清めるという作用もあったという。酒とも相性がよく、酒の味をにごらせないという点にかけては、金銀についでもてはやされている。金よりもむしろ錫の方が酒がやわらかくなるのではないかと思われるほどだ。 皇室では昔からお酒の事を「おすず」と呼んでいたらしい。それほど錫といえば酒器というのは古くから武士や貴族の間で定着していた習慣のようだ。 で、落札した錫器の中に傑作があった。とは言っても別に江戸時代の錫器というわけではなく、とってもリーズナブルな価格でものすごいセットを手に入れてしまったという話。 まず錫器の価格だが、大阪錫器あたりをブラウジングしてもらえば、錫器の価格はわかることだろう。ぐい飲みひとつが\4000円というのはまあ、当然の価格。下手したらセットで数万円というのもあり。 今回手に入れたのはこのセット
左の上にあるのは、「洗杯」といって、猪口を時々洗うための大きめの器だ。右の二つはチロリ(千呂利)という、燗をつけるための徳利。オール錫だ。チロリの持ち手の蔦もほどけていない。槌の目がなかなかの味わいだ。 オークション出品者はこの三点をセットにして販売していた。で、届いたセットを全部調べてびっくり。左手にある小さな引き出しをあけると、普通は猪口が入っているのだが…
入ってました。(笑) ラッキー。新品が3つほどあって、つつまれている紙まで美しい。どうやら、緩衝材がぎっちり詰まっていて、引き出しをあけるのに力が必要だったため「これは引き出しではなかろう」と判断して、大切な猪口を見逃してしまったのではないだろうか。骨董屋にしては、そこそな目付だなー。 このセットで送料込みで●●●●円。四桁。 実は他にも錫の酒器はいろいろあります(^^ゞちびちびと出していきましょか。 この燗をつけるためのチロリだけど、熱燗だけでなく、氷水の中につけておくと5分ほどで冷酒ができあがり。ものすごい熱伝導性。チロリは便利だぞー。パーソナル用にめちゃめちゃ気に入っている洗杯と猪口のセットはまた後日公開ねっ。
ちなみに、この錫器は届いてから味わいを見た上で磨く事にした。普通は茶器などは黄色の独特の光が出てくるまで二十年以上も寝かせてから使うという事もあるらしい。でも、酒を飲むための器で、しかも、全体が変色しているのではなく、底の方(裏側)に点々と汚れがこびりついていた。これは捨てておけないので、やはり磨きが必要。 コンパウンドは荒いので、ピカールで磨くが、錫は爪で強くこすった程度でも傷がつく。そのため、綿棒やつまようじを使用して、細かい部分も徹底的に優しく磨くのだ。これがまた楽しい(^^ゞ 手は真っ黒になるので、洗いざらした軍手を装着して磨く。布は綿もいいが、スポーツ用のジャージを切ったものを仕上げに使うと光沢がいい。数種類の布を試してみた結果だ。綿を使う場合には、洗いざらしてやわらかくなったものを使わないと傷になってしまう事もある。 ぴかぴかになってからは、ピカールのにおいを消すために中性洗剤で洗い、においがなくなったところで、ひとたらしほど酢を入れた鍋で沸騰させる。その後また水で洗い、今度は塩を入れて清めた鍋で沸騰させる。 これだけやっとけば、あとは絶対に洗剤を使わずに、時々手でなでてやる程度で okらしい。 が、現在の食生活を考えると、たまには洗剤で洗うべきだな。
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