2004年09月28日

入魂の一作

最近作ったブックカバー。
プレゼント用なんで、もう手元にはありません。

ついに登場したレザークラフトネタ。得意技だが、なかなか面倒なんでUpしてなかったのだけれど、そろそろやってもいいか(^^ゞ。このブックカバーは相当にレベルが高いのでありました。
作り方は追記(extend)で…。▼マークをクリックね。

まずレザー
これは革工房おおがき【HEADGE】さんから分けて頂いた革。
タンニンとクロームの両方の鞣しが行われているとみた。

サイズがかなり面倒なので、おおがきさんちの型で抜いてもらう。普通なら、このまま縫えばブックカバーができあがるのではありますが、それではおもしろく無い。

まず最初のデザイン。
猫のイラストは愛猫「なぁ」の写真を元に、自ら書き起こしたイラスト(^^ゞ
なんども紙に書いては消し、破っては書き…。という作業を経て、ようやく見れるようなものができる。
それをカービング用のナイフで丁寧に切る。このとき、切り抜きまできちんと行うのはかなーーり大変。何度もナイフを入れると下まで切る間に切り口が汚くなるし、一気に下まで切り下ろすまでの圧力をかけるとすべったり直線上になったりする。その間の微妙なバランスをつかむのが大変。革がまた固いのよ。スーベルカッターというんだけど、この刃先でアメリカ製のとっても薄いのがあるので、これを使って切る。刃先だけで\3000円Overという値段のものなのだ。

切り口をCMCという合成ノリで仕上げる。何度か塗って、きれいに磨いておくのだ。細かいので、綿棒と爪楊枝を使う。

その後、裏側から薄い革をあてる。ボンドで貼ってしまうのだね。白い木工用ボンドに似てるけど、革用で乾燥がめっちゃ早い。

少し弾力を持たせておいて、周辺を塗ってしまう。縫うのに使ったのは「12本目」といわれる菱目打ち。これは一寸(約3cm)の間に12本の穴があるという、超細かいもの。普通の店では購入できない。これはわざわざ上野にある、工具専門のちっこい店で購入。目の玉が飛び出すほどの値段なんよ。
これを縫う糸は麻だけど、自分で染色した独特の風合いのある糸でございます。この糸に、こだわりの蜂蜜農場から取り寄せた、蜜蝋100%を擦り込んで、ヒーターでしみこませる。この糸を使って丁寧に縫うのであります。

そして立体化。
まず端革(端布の革版ですな)を大根おろしでおろす。細かいおがくずみたいな革を作るのだ。このおがくずを作ったら、霧吹きで水をやってから、例のホワイトボンドをたっぷり入れて、混ぜ合わせる。できたペーストを裏側にきちんと塗って、革に立体感を出すのだ。薄い革なんで、スポンジなどでは弾力感はあるけれど、全体が弱くなってしまう。おがくずみたいな革を使ったペーストで裏打ちすると、強度もあがって、なかなか良いのだ。

ここまでできたら、後はパーツをとりつけて周囲を縫うだけ。もちろん12本目を使うので、なかなか進まない。ミシンなら終わってしまうほどの時間に4針ほどしか進まないのでありました。

で、これが完成したら、周囲の切り口(コバ)の仕上げ。
おおがきさんの革の特徴は切り口をそのまま磨いたりした時にはかなり「ほつれる」事。圧力をかけて革をカットした直後は綺麗なんだけれど、サンドペーパーなどで磨くとかなり、ばらばらになっちゃう。
そこで、染料にCMCをまぜて小さい筆で丁寧に切り口に塗る。もちろんはみださない。これを数度行って乾かすと革が固くなる。そこで、またサンドペーパー。色が薄くなった所でまた染料+CMC。これを数回繰り返すと綺麗なコバになる。
しかし、これで終わりでは無い。まだ、革の小さい穴みたいなものが見受けられる。そこで、蜜蝋をとりだして、コバに塗りつける。そして、低温のアイロンをかけて蝋をしみこませんのだ。もちろん一度で済むはずが無い。2時間ほどかけて、塗ってはアイロンを繰り返す。そうすると、革のコバの部分がかなり綺麗に、そして固くなってくれる。これでボンドで貼り合わせた二枚の革も、ほとんど一枚の革のように密着してしまうのだ。

こうやってできたのが、このブックカバー。
どよっ。いいでしょ(^^ゞ

赤のものは表紙側に、緑のものは裏表紙側に猫がデザインされているのだ。

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Comment on "入魂の一作"

かぁ~いぃ♪
いや、あたしが言っても可愛くないですが(笑)、立体化の手法がそういう方法とは、想像できませんでした。凄いっす。「どよっ。いいでしょ(^^ゞ」にご無沙汰している師匠の笑顔が見えます。いや、ホント。

でも猫好きには堪らんデザインだろうなぁ…
ぼちぼちあたしも変な物作ろうかしら(ぉぃ

  •   Kohyan
  • 2004年09月29日 02:18

久々に拝見しましたなぁ<入魂の力作
大胆かつ繊細♪

  •   ぱたりろ
  • 2004年09月29日 10:23

ふふふ。いいっしょ。(いっちゃった)
でも、これを某革屋さんに見せてみたら「一万円で売っても、元がとれない…」などと言われてしまいましたぞ。親友友達にだけプレゼントするようなアイテムでございます。原稿書く間にできるので、リクエストきたら、ちゃんとつくってあげられると思いますけど(^^ゞ デザインは別のやつね。

  •   Y.Sahashi
  • 2004年09月29日 11:25

初めて来ましたれいぎらんと申します!

コバの処理がすごいですね♪
私もレザークラフトを最近始めたのですがコバにこんなに時間かけていません(笑)
それにカガリでごまかしてしまいます。

反省。

ちょくちょく見に来ますのでよろしくお願いします。

れいぎらんさん、ありがとう。
綺麗なページですね。うかがってみました。

コバは丁寧にやるのが好きなんです。好みもありますので、いろいろと試してみるのがいいと思います。

ちょくちょくこられるのでしたら、もっと作品UPしなきゃ(^^ゞ

  •   Y.Sahashi
  • 2004年10月28日 20:28

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